鏡をよく見て

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将軍暗殺篇感想

22週覚え書き

502訓 「光と影の将軍」 Cカラー

・第十四代将軍もの思う――

・陰謀、兆す――

503訓 「瓢箪から駒

・桜の下(もと)に分かたれし魂――

・――!?

504訓 「将軍の務めと忍びの務め」

・時はさかのぼり――

・救世のドS――!!

505訓 「悪党とおまわり」

・空路襲撃――!!

・好戦家相対す――!!

・哀しき事実――

506訓 「忍の里(くに)」

・シャレにならない大軍迫る――!!

・やはり離反…!?

・そうこなくっちゃ!!

507訓 「鋼の鉄砲玉」

・将ちゃん生きてた…!!

・その見据える野望(さき)とは――

508訓 「忍の魂」

・伊賀に迫る最強の宇宙海賊…!!

・実体(すがた)も意志も直隠し、ただ独り闇を走る――。

・ついにロックオン…!!

509訓 「傷(あかし)」

・将軍、絶体絶命――!!

・一方、壊滅の空路撤退中――

・…さっちゃん!!

510訓 「侍と忍」

・全蔵、窮地を脱したか…!?

・さっちゃんは諦めない――!!

・春雨猛攻未だ降り止まず――!!

511訓 「最後の5人」

・夜兎未だ手を緩めず――

・愁い見ゆるは孤城落日の辺――

・共闘――!!

512訓 「依頼」 Cカラー

・宿命激突

・夜兎侵攻…!!一方、鬼兵隊に対するは御庭番衆――!!

・万事屋史上最大最重要任務――!!

513訓 「帰る場所」

・託す想い――

・自分(てめェ)の生き場は自分で守る――!!

・次号二つの因縁が激突――!!

514訓 「万事を護る者達」

・戦局深まる――!!

・背負うものがあればこそ――。

・遂に――刃交わる!!

515訓 「国盗合戦と兄妹喧嘩」

・戦場揺らす咆哮――!!

・幼けなき日の二人――

・交錯する昔日の思い――!!

516訓 「ろくでなし二人」

・かつての征野にて――

・袂分かたれし――あの日。

・学び舎の記憶――

517訓 「それぞれの侍」

・鉄槌下る…!!

・優しき、師の瞳――。

・眼差しの奥、何を思う――

518訓 「げんこつ」

・夕暮れ時、松下村塾の門前――。

・決着…!?

・込められし情念――振るう!!

519訓 「仇」

・銀時と高杉、双方刃飛ぶ――!!

・渾身…!!

・惨痛なる―― 一振り!!

520訓 「松下村塾坂田銀時

・師弟が、照らした――。

・師か、仲間か――。

・放たれた凶刃…!!

521訓 「戦のあとには烏が哭く」

・瞬間、高杉を襲う刃――!!

・神楽と神威、衝突(けんか)は続く――。

・哀しみの傀儡、再び――。

522訓 「松陽の弟子達」

・狂気の瞳…!!

・突如、征野上空を覆うは…。

523訓 「抗い」 Cカラー

・行き先は――。

相見えるは、二人の”将軍”――。

・――おかえり。

7/19~12/22 22週

以下感想↓

「人は生まれながらに弱さを抱えて生まれてくる生き物です。

それは人格的な欠陥かもしれない 容姿であるかもしれない 生まれた境遇かもしれない。

誰もがそれぞれ折り合いのつかない自分を抱え、苦しんで生きている。

ですが、抗う事に苦しむ事もできる。

自分の弱さに翻弄され、苦しむだけではない。自分の弱さと向き合い、抗い、変わろうと苦しむ事もできる。

あの小さな侍達が教えてくれました。

人は 思ったより自由です」

このセリフを読んだとき、ぶわって涙が出ました…。

完結篇の最後の方の桂のセリフを聞いたときも思ったんですけど、空知が物語の最後に持ってくるセリフの破壊力やばいです。

カチッとピースがはまるというか。

この先生のセリフを読んだとき、なんとなく、あぁ、この長篇はこれが言いたかったのかな……って思いました。

それぞれが、それぞれの胸にかかげた志を主君として侍になる。

侍の国なんてもうどこにもない。侍って何だろう、侍の魂はどこにあるんだろう…って新八が銀時に付いてったことから始まった一話でしたが、その答えが描かれたような気がしました。

みんながみんな、自分自身と戦う侍であるということ……すっごく常識破りな気もするんですけど、それが銀魂なりの「侍」なんだなぁって……。

「人は 思ったより自由です」

このセリフが本当に響きました…。松陽先生らしくて優しいセリフですよね。

押しつけがましくなくて、ふわっと心が軽くなる感じの。

思ったより自由。たった一言ですけど、この長篇を象徴するような、銀魂の登場人物たちを表すような、そんなセリフだなぁと思いました。

政治的な思惑が交差して、銀魂の終末時計が確実に動く一方で、銀時と高杉、神威と神楽ちゃん、さっちゃん全蔵将軍、真選組の3人と、それぞれの物語が進行してました。

おっきなストーリーを踏まえつつ、それぞれが持つ「志」に焦点が当たってお話が進んで行く……

長いようで短い半年間でした。

気になったこととか思ったことを、つらつら分けて書こうと思います。

*高杉と銀時のこと

もうこれっほんともっもーーーもうほんとっこれ……これほんともう毎週しんだ……。

高杉の左目が出たとき、あっ今これ私とんでもないもん見てるやばいその時歴史が動いたって思いました…。

高杉も銀時も桂も松下村塾の一員だったわけですけど、高杉の「なんか桂蚊帳の外じゃない……?」って言い方から、高杉と銀時の間だけにある「何か」がきっとあるんだろうなーーって思ってたんですけど、そっか…涙だったか…

「高杉の包帯の下に隠された左目」って、銀魂のお話上キーポイントのひとつだと思うんですけど、それに閉じ込められてたのが銀時の涙って…

もう衝撃的すぎて頭ガンガンでした…。

俺の中の黒い獣が~とか当初からずっと言ってた高杉ですけど、その正体が憎しみとか怒りだけじゃなくって、銀時の涙だったって事実が…もうどうしたらいいか分かんなくなるじゃないですか…。

傾城篇のときに、あっ高杉の感情って正常だ……!!って高杉の株が自分の中でうなぎ登りしたんですけど、今回うなぎ登りっていうか昇天しました…。

清濁合わせ持つっていうか。狂気の底に銀時の涙が一筋隠れてたんだなぁって思って……。

先生の仇は自分たち自身だから、お前は俺を、俺はお前を恨むことで生きていけるとか、この世で最も憎んだのは同じだとか。

似た者同士通り越して魂同じかよって!そういえば桜の下に分かたれしもともと一つの魂でしたねハイってなりました。

ここに魂がひとつありますよ、んでこれを二つに分けて、こっちは護る魂で、こっちは壊す魂で、こっちには銀時って名前付けます。こっちには高杉って名前付けます。って神様がやったんちゃうかって…。

先生の首を刎ねなければ高杉と桂が死ぬ、って局面で、結果的に銀時は先生の首を刎ねたわけですけど、

先生との間には「みんなを護って下さい」って約束があって、高杉との間には「先生をよろしく頼む」っていう約束があって、

きっと銀時はこの二つの間で揺れたと思うんですよ。

でも結果的に銀時は先生の首を刎ねた。

ここに私の考えの及ばないような、でっかい意志が存在してるような気がします…。

目に見えるものを護るだけじゃなく、目に見えないものを護るということです。

銀時は先生の首を刎ねたことで、先生の魂を護った。そして「松下村塾高杉晋助」という魂を護った。

ここで史実の話を出すのはお角違いかもしれませんけど、吉田松陰の「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」って言葉を思い出しました。

高杉晋作に、男子たるもの死すべきところはどこなのか?って聞かれて答えた言葉ですね。

これは完璧に私の考えですけど、生きることは目に見えることです。でも、死ぬことは目には見えないことです。

死ぬこととか、約束とか、魂とか、それらは全部目には見えないことです。

目に見えないことっていうのは、不確かで不安定で、理解され難いことです。でもその「目には見えないもの」のために行動できるのが人間だと思うんですよ。

人間の不思議っていうか、人だからこそできるっていうか…。

死んでしまったら何もなくなるじゃないか、って思いますけど、死の向こうに、何も存在しないように思えるその向こうに、目には見えない何かを掴みとろうとすること。

先生や銀時には、その「目には見えないもの」が分かってたんじゃないかな、って思います。

*将軍と全蔵とさっちゃんのこと

この三人は、なんとなく村塾三人との対比でもあるのかなーって思いました。

村塾三人が失ってしまった、気軽に「ダチ公」って呼べる関係を、将軍たちは取り戻すことができましたね…。

将ちゃんが小さいときのお話で、「傷(あかし)」ってタイトルが付いてましたけど、傷って書いてあかしって読むの、すっごい好きです。

その傷は将ちゃんと御庭番衆をつなぐあかしであり、同時に高杉の目のことも示唆してるのかなーって思いました。

忍と侍って立場が違うけど、それぞれが胸にかかげた志のために生きる、っていう点では同じ侍であって。

全蔵は全部ひとりで抱え込もうとしてましたけど、やっぱね、それはいかんと思うんですよ…。

村塾三人を見るにつけて、ひとりはいかんと思います…。だからさっちゃんが間に合ってくれて、将ちゃんがみんなを護ってくれて本当に良かったと思います。全蔵はもうひとりじゃない。

*神楽と神威のこと

夏ぐらいに神威VS沖田くんですっっっごい盛り上がったんですけど、まさか兄妹喧嘩もくるなんてーーーーー

沖田が負わせた怪我をつっかかりに、神楽ちゃんが神威とやり合うのすっごい燃えたぎりました…熱かった…!

ここの対決では、神楽ちゃんの「人の強さも、人の弱さも、人の儚さも、人の尊さも、みんなこの侍の星が私に教えてくれた」ってセリフが好きです。

人ではない、夜兎の神楽ちゃんがこのセリフを言う、ってことにまた意味があると思います。

今読み返すと、冒頭にも書いた今週の先生のセリフとちょっとつながってるような気がします。

先生は「人」というものの本質を村塾の三人から教わって、神楽ちゃんはそれを銀さんを始めとする、地球のみんなに教わった。

想いがバトンタッチされてくみたいだなぁって思いました。直接会ったわけではないのに、人から人へ、想いが受け継がれていってる。

四天王篇のとき神楽ちゃんと新八が銀時を殴って説教してたけど、ぐらぱちもまた、銀時に教えてるんですよね。

そうやって輪っかになってるんだなぁって思いました…。

*先生のこと

これはあれですか…先生奈落三羽説に拍車がかかる感じですか…。

奪う事しかしてこなかったって何したんですか先生……………………

あと前髪の横にチョコッて出てる内巻きの髪の毛は何なんですか先生…………そんなのあるって聞いてませんでしたよ…

先生のことに関しては以上です……

こうやって書くと、自分高杉と銀時にどんだけ思うとこがあんだよって感じでした。高銀が……好きです…(再確認)

公式が最大手って言葉が原稿する手にズンッてのしかかってきた半年でした。

何て言ったらいいのか……導火線の本線はやっぱり公式だったんだなって感じです…。

元は全部あそこにあるんですよ…。そこから私が何を思うか何をかくかは別として、あそこに丸くてきらきら光ってる玉みたいなものがデーンってあるんですよ…。

それが今まで思ってたものよりもずっと大きくて、綺麗で、完璧な丸だったんだなって…そう思った半年間でした。

高杉と銀時が鉢合わせするのずっとずっと怖かったんですけど、うわあああああああこれ会うかもしんないうああああああってなってるときが一番怖くて辛かったです。いざ会って過去のこととか描かれ始めたら、あとは黙ってしんでいくだけみたいな感じでした。宿命激突!のCカラーのあたりが一番辛かったです…。

連載中は毎週葬式してましたけど、こうやって振り返ってみれば、お互いに本気で言葉と気持ちをぶつけ合えて良かったね…って思います。

先週の銀時のストレート告白のことは拡大印刷して壁に貼りました…。普段遠回しな言い方が多い銀時が、こんなにハッキリ高杉に対する気持ちをあらわにするなんてさぁ…(高杉寝てたからかもしれんけど)(あれ高杉絶対聞いてたと思ってるけど)

高杉はずっと、何で先生と引き換えに自分を生かしたんだ、なんでお前が一番この世界が憎いはずなのにのうのうと生きてるんだ、って思っていて、それがきっと高杉にとって原動力のひとつだったと思います。

でも、それに対して銀時の口から答えが出た今、これから高杉がどういう行動を取っていくのか楽しみです。

すごいよね…50巻かけて高銀にはものすごいオチがついたなぁと思います…。

全体的に見ると、やっぱり最後の先生の「人は思ったより自由です」っていうセリフに着地します。

窮屈なストンじゃなくて、すっごい大きなフィールドにとってもちっちゃいものがストンっていうか。

何を信じるかも、何を胸にかかげるかも、どこで生きるかも、憎むのも、愛するのも、全部自由。こんなに曖昧なのに、こんなにあったかい言葉ってないです。

やっぱり空知すごいなぁって思いました…。

銀魂史上一番長い長篇でしたね。10年越えたここでやってくるとか…。

毎週とにかくショックを受けながら、なんとかかじりついて読んでました。2014年下半期の思い出は本誌に振り回されたことです…。

でも何より、リアタイで毎週このお話を追えたことが本当に嬉しかったです。日付が変わった瞬間にジャンプ買いに行くとか初めての経験でした…。

最後の最後にアニメ再開の一報を聞けたりとかね。穏やかな気持ちで年越しができそうです……

改めて、空知先生22週間もの間、将軍暗殺篇本当にお疲れさまでした!