第573訓「十年」 感想
どいつもこいつも相も変わらずバカやってるとあなたが言ったから、今日は高杉の雨が上がった記念日
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読まれましたか?私は読みました。
鼻が詰まって息ができないので、口で呼吸をしながらこれを書いています。
今週の感想って言語化できるの……?
嬉しいとはちょっと違うし、ありがとうでも違う気がして……
一番近いのが「良かった」……かな……?
すごい良かったって思った。高杉に対して……。
高杉にずっと降ってた雨がやっと上がったんだなって思った。
高杉の左目でずっと泣いてた白夜叉は、もう泣かないんだなって思った。
先生の首がとんだとき、止まってしまった高杉の時間がまた動き出したんだなって思った。
今まで高杉のこと見てきて、高杉の過去が明らかになるたびに、ただの悪役じゃないところにすごい魅力があるなーって思って、どんどん高杉のこと好きになっていって、
好きだから、高杉には幸せになってもらいたいな、救われてほしいなって気持ちがもちろん強かったんだけど、
それでもどこかで、高杉は死なせてあげた方が彼の幸せなのかもしれない、って思いを手放さずにはいられなかったんです。
自分で死にたくても死ねない彼だから、誰かが、それこそ銀時が殺してあげた方が、苦しい思いから解放されるんじゃないかっていう……。
でも、やっぱり高杉には生きててほしくて、でも生きることは彼にとって辛いことなのかもしれない、でも生きててほしいっていう、
そういうごちゃまぜの思いがずっと自分の中にあって、それを抱えながら今まで本誌を読んできました……。
それで、今日この話を読んで、自分のその気持ちに一区切りがついたなって思った。
ほんとにずーーーっと分からなかったけど、今日初めて高杉に対して「生きてて良かった」って思ったし、「これからも生き続けてほしい」って思った。
高杉が今まで生きてきた10年間に意味があったような気がして、無駄じゃなかったんだなって思って、本当に良かったって思った。
虚も言ってたけど、高杉がもしあのまま目覚めなければ、彼はずっと眠ったままで、それはそれで先生の真実を知らなくて済んだと思うし。
でも高杉はまた地獄に戻ってきちゃった。
それが高杉晋助っていう男なんだなぁって思った。
斬って、斬られて、誰かが死んで、誰かが生きて、燃え上がるように時間が過ぎてく「戦場」っていう名前の地獄に、高杉は戻ってくるんだなぁって思って。
それが高杉にとっての、攘夷4人にとっての世界なんだなって思いました。
彼らの真実はそこにあるんだなぁ……。
今まで「離別」とか「決別」の代名詞だった攘夷4人が、またこうして背中を預けるところを目の当たりにして、
確かに銀時は何も失ってなんかなかったなって思った。減った背中はまた戻ってきた。
違った道は、ぐっちゃぐっちゃの荒路の先で、またつながってた……。
高杉が今まで生きてきた10年間は、ずっと自分を責めてきた茨みたいな時間だったと思うけど、
また子ちゃんがいたし、万斉くんもいたし、武市先輩もいたし、本当は銀時だって高杉に寄り添ってたし、桂も辰馬もちゃんといた……。
高杉は一人じゃなくて、今そのことに彼も気付けたし、読んでる私も気付けたんだなって思った。
どんなに一人に思えても、もうだめだー!もう何もかもなくなっちゃったー!死ぬしかないー!みたいな状況になったとしても、
そこからまた歩き出せるっていう人間の強さを、高杉に見た気がします。
高杉はいっぺん死んで、今生まれ直したんだなぁ……。
「相変わらずバカ」
この一言で充分です。