鏡をよく見て

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ぎょえ初見後の感想

※ネタバレする
※コナン初心者
※たびたびハロ嫁と比べているけど、自分がハロ嫁生まれで直近の映画だから分かりやすい表現かなと思っているだけで、どっちが優劣とかはないです

 

すーーーごいカロリー高い映画だった…。見終わった後汗かいてるし身体あっついし、手ずっと握りしめてて白くなっちゃってたよ。
ハロ嫁んときは「めっっっっちゃ面白かったね!絶対2回目見に行くわ!ウルウル…」って感じだったんだけど、黒サブは「つ……疲れた……」って感じだった…。
なんでこんな疲れてるんだろ?って思ったら、友達が「コナンくんがずっと必死だったからじゃない?」って言ってて、そ、それだー!
メインキャラへの没入感がすごい…。
なんか体感時間2時間半くらいあったんですけど?!たぶん実質の上映時間100分ちょっとだよね?とてもハロ嫁と同じだとは思えない。一本で高カロリーの行動食ようかんバーみたいな凝縮具合だった。
でもゼロしこの監督×脚本家ってことで、まぁそうだよね、こうなるよねっていう期待通りなとこが嬉しかったー!
そうそう、期待裏切られなくて良かった…っていう安心感がともかくあって、期待通り、そんでもって期待以上だった。まとめると2年連続で名作だった…!という感じです!

ゼロしこの面白さとハロ嫁の面白さが全然違うように、ハロ嫁と黒サブの面白さも全然違ってて、黒サブはこう…ゼロしこの硬派な雰囲気にアクションと本筋キャラたちのストーリーを混ぜた進化形のような…。そんな感じ。
ゼロしこって面白いんだけど、映画っていうよりドラマっぽさがあって(だってあれほぼ法廷ドラマだよね)、劇伴ガンガン鳴ってるっていうよりかは無音だったり自然音も多いし、殺人や大爆発が起こるわけでもないし。ぴの車はズタボロになったけど…。
面白いんだけど、専門用語とか難しいし一般受けはするか〜?って感想を当時抱いたんだよね。(なお歴代興行収入更新)
そんでもって今年の黒サブはゼロしこのずっしり重い緊迫感を受け継ぎつつ、カーチェイスや格闘のアクションも挟みつつ、黒の組織vs主人公で分かりやすく面白さを出しました!という感じ。正統派進化…というより斜め上進化かなって思った。よくあんだけキャラ出てて全員に見せ場があったなぁ…。
ハロ嫁のテンポのいいスタイリッシュアクションや爽快な悪役の魅力とはまっっったく方向性の違う面白さだった!
ちな「面白い」と「好き」と「世間的な評価」って全部違う感覚だと思ってるんですけど、単純に「ハロ嫁と黒サブどっちが好き?」って友達に聞いたら「黒サブだなー」って言ってました。
私はハロ嫁の方が好きなんだけど、それは私が多少脚色されてドンパチやってる創作性の高いストーリーの方が好みだからで、友達が黒サブの方が好きって言ったのも、友達がある程度現実に即したようなドラマ性の高いストーリーが好みだから…に過ぎんと思う。
つまりどっちも方向性が全く違う名作で、今年の映画も人に「面白いよー!」ってお薦めできそう〜!組織から哀ちゃんを奪還するっていう話だし、今年の方が世間にも受けると思う…笑

以下好きなとこたち

■オープニングとメインテーマ
かっ……………けかった………。これは間違いなく最近で一番好き。
重低音から始まって、ふつーになんかのイントロかと思ったらメインテーマの入りでびびった。重いねぇ!もっかい聞きたーーい!
波紋でスタッフ文字が表れるのも良かったし、オープニングの映像が全部影っていうね…!かっこ良すぎ。魚影だから影なんだーーーうおおおおって内心めっちゃ盛り上がった。
あれ全部影にするって相当勇気のいることだと思うんですよ…。あらすじだからこそちゃんと説明しなきゃいけないっていうところと、これから始まる話の雰囲気を予感させつつ…っていうところと、そのバランスがさー難しいと思うんだけど。よくほぼ影絵にしたな…と思った。でも脳内補完で絵が出てくるからコナンってすごいねぇ。

■劇伴
やーーーー……ほんとにぃ……菅野さんが好きでぇ……。サイコパスとかジョジョでお名前を覚えたんですけど、ほんとーーーに菅野さんで良かったーー!!
前回のハロ嫁はサックスとかふんだんに使って派手・豪華・パーティという感じだったんだけど、今回はもうじっとり重い緊迫感が…最高だった…。
予告のときから対組織の話だから重い音だなぁと思ってたんだけど、それだけじゃなくて、パシフィックブイの機械的な雰囲気とか推理パートのロジカルな電子音とか、もーいちいち良くてお話の盛り上がりに貢献しまくってたよね。
カーチェイスのときとかおっちゃんが推理始めてピンガが分かるまでとか、あのあたりの曲好きだったなー!もっかい聞きに行くぞー!
あとキミがいればのボーカル入…めちゃくちゃしっとり編曲で良かったぁ…。浮上引き上げシーンとあいちゃんの感情相まって泣いちゃった…。

■あいちゃん
最近公式があげてくれてるあいちゃんエピを初心者ながらに追ってたんだけど、最初はもう自分なんか死ぬべき、って思ってたあいちゃんが絶対にみんなのとこに戻ろうとする今回の映画に繋がるのか…って思ったら感慨深いわな…。
コナンくん始め探偵団のみんなと過ごす中で心持ちが変わっていって、これも「子供の言葉で人生が変わる」っていうテーマのひとつなんでしょう。
見た目は子供で頭脳は大人の「お馴染み」を、老若認証システム、大人と子供の関係性って?というテーマにもってったのはなるほどなーと思った。
子供ってそもそも無条件で大人に庇護されるものだと思うんですけど、それがあいちゃんには充分に無くて、今周りの大人たちが少しずつ与えてるんだなーって。
じゃあ子供は貰ってるだけなのかっていうとそうじゃなくて、子供の言葉がのちの人生に影響を与えることもあると…そういう循環の関係を直美さんを通して描いてたのは面白かった。
ずっとコナンくんが助けに来てくれるんだけど、最後はあいちゃんの方がコナンくんを助けて、守り守られて、そんでもって最終的にその2人は大人である蘭ちゃんが守ってくれるという円の構図なんだなぁと思いました。このへんはパンフに書いてあった。
そして蘭ちゃんは心情的に新一に守られてるっていうね…この還元いいよね〜。
還元といえばキスも!コナンくんとあいちゃんがキスしたとき、致し方なしとはいえそれはいいの〜?!あいちゃん意識しちゃったけどいいの〜?!ってめちゃくちゃ焦っちゃったんだけど、ちゃんと蘭ちゃんに還元してくれてウケた。あそこ映画館みんなフワッ!って声出てた笑

■組織と組織の人たちの話
いや組織やばかったな……。あのー、黒サブ通して明確に組織が「あっ一線超えたな」って瞬間が何度もあって、そういうのいつもはあんまり見れないじゃないですか。
そもそも冒頭でニーナがこめかみぶち抜かれて死ぬシーンがアップで映ったとき、あっこの映画「かます」やつだ!!ってゴクッ…ってなったんだよね…。
そうだよな、国際的犯罪組織ってこうだよな…って怖さが存分に描かれてて、組織に対する解像度めっちゃ上がった…!
多分みんな言ってると思うけどウォッカっ…!ウォッカめっちゃ良かった!直美さん脅してるとことかめっちゃ怖かったし、身内人質にとるの黒の組織の常套手段すぎてうおおおこれだからやべーー!ってテンション上がっちゃった。
ジンニキいると腰巾着感強くなっちゃうけど、いないとちゃんと組織の偉い人なんだなって。潜水艦の部屋で幹部会議してるとこ最高だった…。ウォッカの電話待ちでみんながいて、すげーウォッカの意見待ちだ…って思ったし、あのピリピリした空気見てるだけで胃が痛くなる。組織っつっても一枚岩じゃないんだなーってのはなんとなく分かるけど、みんなそれぞれ意見を持ってて、自分は誰派だみたいなのもあるし、もちろんキールやバボは別の思惑があるし…すんごい複雑な人間関係の中で組織の人たちって生きてるんだなというのを再確認した。ピンガみたいに他人を蹴落とそうとする奴もいるしさー、隙あらばハメられそうだし、ちょっとでも言うこと間違ったら殺されそうだし、まじで1ミリも気を許す暇がねえ…。

そしてそんな中でキールもバーボンも潜入捜査してるっ…!!スコッチもあの中にいた!!!
あんなんずっと胃がキリキリしておかしくなっちゃうよ。降谷ってほんとに鉄人なんだな…。あむぴの日常との温度差がとんでもねえ。
いや逆にずっとキリキリしてた方が慣れるよね…降谷のすごいとこってバーボンになれたりぴになれたりそれがすっと切り替えられるとこなのか…これがトリプルフェイスってことぉ?!
降谷になってコナンくんに連絡とってるときとか、バーボンからシームレスだったもんね。3人とも全然性格が違うように見えるけど、降谷的にはちょこっとスイッチを切り替えるだけでいいんだろうなぁ。
あと話があっちゃこっちゃいくけど、バーボンの黒コートとんでもねえな…。幹部会議してるときスタイル良すぎてお目立ちになってる。身長の長い男が布の長いものを着るととんでもなくなる。

そんでベルバボなんですけど、本当にとても良かったです。
おんなじとこで着替えたんだからあれ2人とも裸になってるよね?!いくらインナー着てるとはいえびちょびちょだからそれも脱いで一回裸になったよね?!
サイコーーーーーー
お互いの裸とかなーーーんも興味なさそうなベルバボ本当に好き。
あと2人揃って会いたくないコナンくんに遭遇しちゃったのも好き。思ったよりしっかりめに「シルバーブレッドなぜここに?!」状態だったから笑っちゃう。
あと手刀入れるのはベルの役目だし、倒れた直美さん抱えるのはバボの役目なのに、ベルが直美さんの身体検査してるときに僕は女性の身体さわりませーーんな態度で後ろで腕組んでるのも好き。本当にいいコンビだね……。

あと今回の一番の功労賞は間違いなくキールだと思うんですよぉ!コナンくんも蘭ちゃんも博士も降谷も赤井さんも、みんなそれぞれの立場からできることをしてくれたけど、キールは明らかに立場とかのライン超えて助けてくれたじゃん…!最前線でめちゃくちゃ助けてくれたし、キールいなかったら死んでる場面何回もあった…。ウォッカに銃向けられてもデコにあてながら近づいてくとこ、かっこよかった〜。
キールも組織のせいでお父さん亡くしてるし、組織に何かを奪われた人たちがめっちゃ頑張ってるんだなぁ…って思って胸があつい。
もともと疑われてるのにすごい無理してあいちゃん助けようとしてくれるから、キール無理すんなー!自分の身を大事にしろー!ってめっちゃハラハラしちゃった。
なんていうかああいう絶体絶命の場面で「それっぽくハッタリをするスキル」ってノックに重要なんだなぁと思った。言いくるめるっていうか、自分が正解だって納得させる力?つまりレスバ能力。
キールにしてもバーボンにしても、単身で組織に溶け込んでる姿を見るとこれがノックかぁ…ってゾワゾワしちゃったな。自分の死も自己責任で、誰にも助けを請えない状況って怖すぎる。

ヘリから降りてくるジンニキ美しすぎんか?
好きになっちゃうよ……。
ジンニキもクソシステムにキレるんだ…って思ったら可愛くなっちゃった。管理職だもんな。クソシステムにキレたいときもあらぁな。
コナンくんがピンガにお前なんて所詮ジンの紛いもの!って煽るとこ、相対的にジンの評価上がって興奮した。煽り言葉だって分かってるけど、主人公様に認められるニキさすが。
そんなジンも虎視眈々と失脚の機会を狙われてんだな…と思うと本当に組織って怖いとこなんだなというのを改めて実感致しました。

■スピーカー通話
なんだったんだ??!!??
なん…なんだったんだ……?なんだったんだと思う…?逆に聞くけど……。
あの…あそこ本当に何も覚えてないんですけど…どんな経緯でなぜあんなこと(あんなこと)になったのか全然思い出せない…。
コナンくんがこう…スマホを2台こう…したときにもう記憶のフィラメントが焼き切れて、あっ私今見ながら記憶を失っている…って自覚してた。
夢を見ながらあっこれ夢だなって自覚するときと同じ感覚。
あれ別に3人で会議する必要あった??!(混乱するオタク)って友達に聞いたら、なんか赤井さんがドンパチやる許可を…?日本警察である降谷に求めてたらしい…??
じゃあ必要あったな……。
すみませんここ本当になに喋ってたか覚えてないので2回目以降記憶を取り戻しに行きます…。
スピーカーでスマホ越しに会話するなんてこんなん実質…こんなん実質、「実質」だろ!!!!
あむろっ…いや、降谷零くん…バーボン(赤井さんによるトリプルフェイスの説明)
あのさ、赤井さんはライって呼ばれたからバーボンって呼び返したのは分かるんだけど、降谷がライって呼んだのなんでぇ?!笑
おめー頑張んなよって発破かけたってことかな?!なんか冠詞で褒めてたし!なんかすごい褒めてた!ねぇお茶会で何があったの?!オタクに教えてよ!オタクを置いていかないで!
でも組織随一のスナイパーがさすがだなって褒めてくれたの、スコッチなんだよなぁ~えへへ~~。
たぶんこの通話終わったあと風見が来たと思うんだけど、記憶がおぼろげすぎたのと怒涛の金ローカットのせいで風見の幻覚見たと思ったらちゃんと出てたわ…ってパンフ見て確認した。
パンフの飛田さんのコメントめっちゃ可愛かった。
てか風見がさ…「降谷さん」って呼ぶのってもしかしなくてもすごい降谷にとって救いになってるんじゃ…って黒サブ見て思った。
あんなギリギリの環境でバーボン演じてるわけじゃん、それで警察官の降谷に戻ったときに、風見が降谷さんって呼んでくれるのってすごい安心感があるというか…。だって降谷のこと本名で読んでくれる人、もはや限られてるでしょ…。
ありがとう風見…。

※追記 ■オチのこと
オチの感想書くの忘れてた。スタッフロール流れた後のベルのシーンです。
私あのオチめっちゃ好きなんだけど、その気持ちとしては「こわ~~~!!」って背筋ゾゾゾの種類。
めっちゃ怖くない!?なんか不穏な感じだったし…あの不気味な感じが黒サブのじっとりしたオチとしてぴったりー!と思った。
だってさ、あのときあいちゃんが整理券譲ってなかったらあいちゃん死んでたわけで、その「ほんのささいな善意が生死を分けた」って九死に一生具合もゾッとしちゃうし、
そんなブローチ買えたくらいで人の命助ける!?ってわけのわからなさにもベルの怖さを感じる…。
得体が知れないのが怖いっていうか…あーーだからベルってどこまででも組織の人間なんだなぁって思った…。
その理由を探すのが探偵なんでしょう?(うろ)って言葉もオシャレでいいっすねぇ。
「いい話だったなー」で終わらない怖さがめちゃくちゃ良かった。
でもこの終わり方人によって感じ方違うかもしれんな…。ベルやさしー!って感じる人もいるかもしれん。

 

以上とりあえず勢いの感想